招き猫商店街 末廣園
商店街の復興と応援を兼ねて 招き猫商店街 の絵を連作しています。
私の祖父の家は、下町で茶屋を営んでいました。定年後に開いたのんびりとしたお店でした。
店頭にはもちろん招き猫が置いてありましたし、
動物好きだったので、たくさんの犬や猫達と暮らしていました。
小さい頃ですが私は、夏休み中祖父の家に預けられて、お店番をした記憶があります。
近所のお馴染さんが来ると、
「おじーちゃん、お客さんが来たよ!」と大きな声で呼んだものでした。
祖父の毎朝開ける引き戸の音や、風鈴の音、
ゴーヤの蔓を揺らして風がお店の中を吹き抜けていく…。
茶葉の香ばしさの中で 色々な物が置かれた店内は私には物珍しくもあり
「よく厭きないね」 と声をかけられたものですが、
お客様が早く来ないか首を長くして待っている私自身が 招き猫 だったのかもしれません。
小さい頃の記憶というものは、ぼんやりとはしていますが、中を覗けば鮮明で
大切に守られた時間の中で育まれている 福 のようなものだと感じます。
誰の心の中にも
時空を超えて出会えるような 思い出の場所が 確かに存在していると思います。
- 作品番号
- 86
- 作品概要
- 幅65×奥行2×高さ53cm 素材:キャンバスにアクリル画
宮内久美子 / Kumiko Miyauchi
猫アーチストプロフィール
猫好きが高じて招き猫を作り始めて以来、たくさんの猫作品を作りたくさんの猫にまつわる方々と関わってきました。月日を重ねるごとに、皆様の猫達への想いや一匹一匹の猫の言葉にならない想いを作品を通じて代弁して行けたら、と思うようになりました。猫は家族であり絆であり、人生には無くてはならない存在です。
自然体で自由な猫の存在をインスピレーションに 楽しく逞しく癒しのある作品を創っていきたいと思っています!
群馬県高崎市出身。
武蔵野美術大学卒業後、イラストやデザイン、立体造形などを手がける。
工房アースワークでは、夫と共に美術造形やアーチストの作品を手がけている。