写真術 | No.18 ふたりで撮ると
撮影は、たいていカメラマンの私と助手のふたりでモデル猫家庭に伺います。助手といっても、彼女はフィルムも入れられないくらいのメカ音痴。撮影そのもののアシストではなく、モデル猫を扱うのが主な仕事です。
皆さんが猫を撮るときも、できればふたりでやるほうがうまくいくでしょう。組む相手は家族や猫が慣れている友人がいいですね。
具体的なやり方はこうです。撮影者がカメラを構える背後に助手が張り付いて、猫の視線を上に向けます。これは、猫の目にキャッチライト(白い点)が入ると、パッチリ活き活きとより可愛く見えるからです。(写真参照)
この時、光源(太陽や電灯など)との位置関係で、助手の存在が影にならないように気をつけてください。猫の視線をこちらに向かせるタイミングと、シャッターを切るタイミングを合わせて撮ります。
ところで、うちの助手の特技は「仔猫だまし」。うとうとし始めた仔猫を寝かしつけて、ポーズを調整するのがうまいのです。かがみこんで、何やら低い声で話しかけているうちに、仔猫はすやすや寝息を立て始めます。
「あれ、いつもなんて言っているの?」
「かわいいねー、いい子だねー、リラーックス、リラーックスって」
要は子守歌の要領で、愛情を込めて接するということでしょうか。